婦人科

診療内容

特 色

妊娠12週以降を除く、一般産婦人科診療に広く対応しています。

対応可能な主な検査・手術

外来での子宮鏡検査
子宮卵管造影等の一般不妊検査と治療
子宮癌検診精密検査
悪性疾患治療後管理
手術(腹腔鏡、子宮鏡、TVM手術、マイクロ波子宮内膜アブレーション)

診療科より一言

マイクロ波子宮内膜アブレーションを平成23年より開始しました。
腹腔鏡下手術は平成10年より施行し、500例以上を経験しています。
骨盤臓器脱のTVM法は、平成21年より開始し、150例以上を経験。良好な結果を得ています。

認定・専門・指導医

日本産婦人科学会 認定医
母体保護法   指定医師

医師プロフィール

木原 郁夫


婦人科手術について

掖済会病院婦人科では、午前の外来診療の後、週に2日午後より手術を施行しています。良性疾患手術が多く、腹腔鏡下手術と子宮脱等の骨盤臓器脱手術で全体の70%以上を占めています。当科での主な手術について、簡単にご紹介いたします。

マイクロ波子宮内膜アブレーション

子宮筋腫等による過多月経で、貧血を繰り返す患者さんを、おなかを切らずに治療する方法です。1泊入院で、退院翌日から仕事も可能です。

子宮内腔にアプリケーターを挿入し、マイクロ波で子宮内膜を凝固することで、出血量を軽減します。凝固に要する時間は、15-30分程度で、術後の痛みも軽度です。貧血の治療が頻繁に必要で、手術する時間のない方には、特にお勧めします。

腹腔鏡および子宮鏡下手術

当科での腹腔鏡手術は、身体の負担を少なくするため、、腹腔内にガスを注入しない腹壁吊り上げ方式を主に採用しています。また、可能であれば手術創をひとつだけにする単孔式で施行します。

卵巣腫瘍摘出術(腫瘍のみの摘出を含む)、子宮全摘術、腹腔鏡下筋腫核出術等の良性腫瘍手術を施行しています。

手術時間は開腹術よりかかりますが、術後の苦痛や腹腔内の癒着は明らかに低下します。

メッシュを使用した骨盤臓器脱手術

(TVM法 Tension-free vaginal mesh)
門司港地区は高齢者が多い地域であるため、外来治療および手術とも骨盤臓器脱(子宮脱 経膣膀胱脱 経膣直腸脱等)の比率が高くなっています。従来は、子宮の一部または全部を摘出し、膣壁の伸展した部分を縫縮する手術が主流でしたが、再発率が10-30%あり、術式の工夫によっても再発率を低下させることはできませんでした。

ヘルニア手術等で使われるメッシュを使用した TVM法が広まっており、当院でも、平成21年より開始しております。膣の粘膜下にメッシュを挿入し、ハンモックにのせて吊り上げるように膀胱や直腸、子宮頸部をもとの位置に牽引し、固定する方法です。

基本的には子宮摘出はしないため、からだの負担もいくぶん小さくなります。ただ、もともと尿漏れがひどい人が、子宮が下がることにより尿が漏れにくくなっている場合には、この手術をしたあとから尿漏れがひどくなる場合があります。経過観察で改善することが多いようですが、改善しない場合には投薬や尿漏れの手術があらたに必要となることがあります。